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峠やサーキットを走るなら、タイヤと同じくらい妥協したくないのがブレーキです。純正パッドのまま連続して強いブレーキを繰り返すと、温度上昇によって効きやペダルタッチが変化する可能性があります。
ただし、「耐熱温度が高いパッドほど偉い」という選び方も正解ではありません。街乗りでは低温から安定して効くこと、サーキットでは高温時の安定性とコントロール性が重要です。使う場所、車重、タイヤ、ローター、ブレーキフルードまで含めて選ぶ必要があります。
この記事では、メーカーが公表する温度域・材質・想定ステージを基に、街乗り兼用から本格的なサーキット走行まで使いやすいブレーキパッド8種類を比較します。実際に使用していない商品を体験談のように書かず、公式仕様から用途を判断しています。
タイヤ選びがまだの方は、先に峠・サーキット向けハイグリップタイヤ8選も確認してください。
迷った場合の結論
- 総合本命:DIXCEL Zタイプ
- 価格を抑えたサーキット入門:ACRE Formula 700C
- 街乗りと走行会を1セットで両立:ENDLESS MX72
- 効きと高温安定性を重視:Project μ TYPE HC+
- ミニサーキットの本命:WinmaX MC2
- 連続周回・重めの車両:WinmaX MC3
- 低予算でスポーツパッドを試す:DIXCEL ESタイプ
- 街乗り中心でダストを抑える:ENDLESS SSM PLUS
重要:パッドの温度域や摩擦係数は各メーカー独自の試験値です。数字だけを並べてメーカー間の優劣は判断できません。また、SSM PLUSなどストリート~ワインディング向けの製品を、連続周回用として選ばないでください。
峠・サーキット用ブレーキパッド8選の比較
| 商品 | メーカー公表温度域 | 材質 | 向いている用途 | 選ぶ前の注意 |
|---|---|---|---|---|
| DIXCEL Z | 0~850℃ | グラファイト・メタリック | 街乗り~サーキット | ダスト・鳴き・ローター摩耗を許容できる人向け |
| ACRE Formula 700C | 常温~700℃ | カーボングラファイトメタリック | サーキット入門~経験者 | 街乗りではダストや鳴きを確認 |
| ENDLESS MX72 | 50~700℃ | セラミックカーボンメタル | 街乗り~走行会 | パッドとローターの慣らしを行う |
| Project μ TYPE HC+ | 0~800℃ | スーパーグラファイトメタリック | 街乗り~サーキット | 高い摩擦力に合うタイヤと車両バランスが必要 |
| WinmaX MC2 | 常温~700℃ | ロースチール | ワインディング~ミニサーキット | 旧AP2ではなく現行MC2を確認 |
| WinmaX MC3 | 常温~750℃ | ロースチール | 連続周回・高負荷 | 街乗り中心なら性能を持て余しやすい |
| DIXCEL ES | 0~600℃ | NAO | 街乗り~ワインディング | 本格的な連続周回用とは分けて考える |
| ENDLESS SSM PLUS | 0~550℃ | ノンアスベスト | 街乗り~ワインディング | サーキットの連続周回には使わない |
※上記は2026年8月時点の各メーカー公表値を基に作成しています。仕様、価格、適合は変更される場合があります。
本命3種類を先に選ぶならこれ
総合本命:DIXCEL Zタイプ
街乗りからサーキットまで1種類で対応したい人の総合本命です。メーカー公表の適正温度は0~850℃で、低温域を含む幅広い範囲と、制動力・コントロール性を両立した位置付けが強みです。
普段乗りもするスポーツカーで、走行会のたびにパッドを交換したくない人には選びやすい候補です。ただし、純正同等の静かさや低ダストを最優先する製品ではありません。効きと耐熱性を上げる代わりに、鳴き、ダスト、ローター摩耗が増える可能性は理解しておきましょう。
コスパ本命:ACRE Formula 700C
Formula 700Cは、サーキット用パッドの価格をできるだけ抑えたい人の本命です。メーカーは常温~700℃、初心者から上級者まで対応するモデルとして案内しており、カーボングラファイトメタリック材を採用しています。
初めての走行会だからと純正パッドで無理をするより、最初から使用温度に余裕のある製品を選びたい人に向きます。国産有名メーカーの上位パッドより購入しやすい価格帯になりやすい一方、必ず自分の車種とキャリパーに合う品番を確認してください。
街乗り兼用の本命:ENDLESS MX72
MX72は、ENDLESSがストリートでの利用も重視する走行会ユーザー向けとしている定番モデルです。ローター適正温度域は50~700℃。街乗りの使いやすさを残しつつ、休日はサーキットへ行きたい人に合います。
本格的なレース専用品ほど用途を限定せず、普段乗りとスポーツ走行を1セットで成立させやすいのが魅力です。価格だけで選ぶならFormula 700C、低温から高温までの広さならDIXCEL Z、街乗りとのバランスならMX72という分け方が分かりやすいでしょう。
効きとサーキット性能を重視する3種類
4.Project μ TYPE HC+|幅広い温度域と強い制動力
TYPE HC+は、0~800℃の温度域と0.43~0.58μの摩擦係数を公表するスポーツパッドです。メーカーは幅広い温度域で効きとコントロール性を実現するモデルとしています。
強い制動力を求めるサーキット車両に向きますが、パッドだけ強くしても完成ではありません。ハイグリップタイヤ、ローター、フルード、前後バランスを含めて選びましょう。取り付け直後はアタリが付くまで制動力が十分に出ないため、必ず適切な慣らしが必要です。
5.WinmaX MC2|ミニサーキットのスタンダード
MC2は、旧ARMA SPORTS AP2の後継モデルです。常温~700℃に対応し、WinmaXは効きとリリースコントロール性のバランスに優れた、ミニサーキット走行のスタンダードモデルと位置付けています。
初期から強めに効く感覚を求めながら、ペダルを戻したときのコントロール性も重視したい人向けです。旧AP2の在庫も流通している可能性があるため、現行モデルを選びたい場合は商品名が「MC2」になっているか確認してください。
6.WinmaX MC3|連続周回と高負荷を重視
MC3は旧AP3の後継で、常温~750℃に対応するMCシリーズのヘビーデューティーモデルです。メーカーはシリーズ中で最も効きと耐熱性を重視し、高温での連続周回でも効きの低下が少ない特性としています。
車重のある車、ハイグリップタイヤ、ブレーキ負荷の高いコースでMC2より余裕が欲しい場合に候補になります。一方、短時間の街乗りが中心ならMC2やMX72でも十分な可能性があり、最大温度だけでMC3を選ぶ必要はありません。
街乗り中心・入門向けの2種類
7.DIXCEL ESタイプ|低予算で始めやすい
ESタイプは0~600℃の温度域を持ち、メーカーが「街乗り+ワインディング」「ブレーキパッドチューニングの手始め」に適するとしている入門モデルです。
純正パッドから制動力と耐熱性を一段上げたい人には魅力的ですが、長時間の連続周回を前提にした本格競技パッドではありません。軽い車両で短時間の走行会へ参加する場合でも、ローター温度やパッド残量を管理し、違和感が出る前にクーリングを入れてください。
8.ENDLESS SSM PLUS|低ダストと街乗りを優先
SSM PLUSは0~550℃、走行フィールドはストリート~ワインディングと公表されています。低ダストを維持しながら初期レスポンスを高めた製品で、毎日乗る車のホイール汚れや扱いやすさを重視する人向けです。
この製品をサーキットの連続周回用としては推しません。街乗りがほとんどで、ときどきワインディングを楽しむ使い方に向きます。サーキット走行会まで考えるならMX72、Zタイプ、Formula 700Cなどへ上げて考えましょう。
車種型式からブレーキパッドを探す
ブレーキパッドは、車名が同じでも年式、グレード、純正キャリパー、ブレンボ装着の有無で形状が変わることがあります。購入前に車検証の型式と商品の品番を照合してください。
| 車種 | 型式 | Yahoo!ショッピング検索 |
|---|---|---|
| トヨタ 86 | ZN6 | ZN6用を探す |
| スバル BRZ | ZC6 | ZC6用を探す |
| スズキ スイフトスポーツ | ZC33S | ZC33S用を探す |
| マツダ ロードスター | ND5RC | ND5RC用を探す |
| ホンダ インテグラ タイプR | DC2 | DC2用を探す |
| ホンダ シビック タイプR | FD2 | FD2用を探す |
| ホンダ シビック タイプR | FK8 | FK8用を探す |
| スバル インプレッサ WRX STI | GRB | GRB用を探す |
| スバル WRX STI | VAB | VAB用を探す |
| 三菱 ランサーエボリューション | CT9A | CT9A用を探す |
| 三菱 ランサーエボリューションX | CZ4A | CZ4A用を探す |
| マツダスピードアクセラ | BK3P | BK3P用を探す |
ブレーキパッドを買う前に確認する6項目
1.型式だけでなく年式・グレード・キャリパーを確認
同じ型式でも、前期・後期、標準ブレーキ・ブレンボ、メーカーオプションなどでパッド形状が違う場合があります。販売ページの適合表だけで判断できない場合は、メーカーの適合検索と現車のキャリパーを照合してください。
2.フロント用とリア用を間違えない
商品によってはフロントのみ、リアのみ、前後セットがあります。価格が安く見えても片側分だけの場合があるため、商品名と数量を必ず確認します。
3.前後の効きのバランスを崩さない
フロントだけ強いパッド、リアだけ強いパッドへ変更すると、ABSの介入や車両姿勢が想定と変わる可能性があります。初めて交換する場合は、メーカーが案内する前後の組み合わせを基本にしてください。
4.ローターの残量・段付き・ひびを確認
高性能パッドへ交換しても、ローターが摩耗限度を下回っていたり、深い段付きやひびがあったりすれば安全に性能を発揮できません。ローター厚は規定値を測定し、必要なら同時交換します。
5.ブレーキフルードも走行条件に合わせる
ペダルが奥へ入る原因はパッドだけとは限りません。古いフルードや沸点不足によるベーパーロックも考えられます。車両メーカーが指定する規格を守り、スポーツ走行前に交換時期とエア抜きを確認してください。DOT5とDOT5.1は性質が異なるため、名前だけで判断して混ぜないでください。
6.新品はアタリ付けをしてから強く使う
新品パッドとローターの接触面がなじんでいない状態では、本来の制動力が出ません。メーカー指定の慣らし手順を優先し、交換直後から急制動や連続ハードブレーキを行わないでください。
用途別に選ぶならどれがいい?
街乗りが9割で、ときどきワインディング
DIXCEL ESまたはENDLESS SSM PLUS。価格を抑えて純正から一段上げるならES、ダストと普段の扱いやすさを優先するならSSM PLUSです。
通勤にも使いながら走行会へ行く
ENDLESS MX72またはDIXCEL Z。街乗りとのバランスを優先するならMX72、温度域の広さと制動力を優先するならZタイプが候補です。
初めてサーキットを走る
ACRE Formula 700C。価格と700℃までの温度域を考えると、純正パッドから交換してサーキットへ挑戦する人に選びやすいモデルです。ただし、車重やコースによって必要な余裕は変わります。
ハイグリップタイヤで連続周回する
Project μ TYPE HC+、WinmaX MC2・MC3。効きと耐熱性を重視するならHC+、ミニサーキットでバランスを取るならMC2、車重や連続周回による熱負荷が高いならMC3を候補にします。
まとめ|最大温度ではなく使い方で選ぶ
- 総合力ならDIXCEL Z
- コスパ重視のサーキット入門ならACRE Formula 700C
- 街乗りと走行会の両立ならENDLESS MX72
- 強い効きならProject μ TYPE HC+
- ミニサーキットならWinmaX MC2、高負荷ならMC3
- 街乗り中心ならDIXCEL ESまたはENDLESS SSM PLUS
ブレーキパッドは、最高温度が大きい物を選べば終わりではありません。車重、速度、コース、タイヤグリップ、ローター、フルード、冷却条件によって必要な性能が変わります。迷った場合は普段の使い方を基準にし、サーキットで想定される温度へ安全側の余裕を持たせて選んでください。
走行会の準備全体は、サーキット走行の持ち物チェックリスト完全版で確認できます。
※ブレーキは重要保安部品です。適合確認、分解、取り付け、フルード交換、エア抜きは、知識と設備のある認証工場・整備工場へ依頼してください。一般道では交通法規を守り、限界走行は安全管理されたクローズドコースで行ってください。

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